中国技術古書『天工開物』にみられるものづくりの指針

書誌事項

タイトル別名
  • Principles of Heavenly Creations in Ancient Chinese Book Named TIAN GONG KAI WU
  • - A Study of Minimalist Design in China (1)
  • - 中国における「少物」デザインに関する研究(1)

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抄録

本稿は、明時代末期に著された中国の「ものづくり」の技術書である『天工開物』を紐解き、中国において培われてきた伝統的な「ものづくり」の特質を、材料の観点から明らかにするとともに、今日、中国の人びとが目指すべきものづくりの指針を導出することを目的としたものである。考察の結果、以下の知見を得た。(1)同書に記録された「ものづくり」は、植物資源、動物資源、鉱物資源、その他の天然資源、副産物の再利用、材料の再生利用・再利用、材料の複合的な利活用、地形・風水・節気の利活用など、多岐にわたる資源の利活用が示されている。(2)「天人合一」という中国の伝統的自然観に基づいて構築されてきた「ものづくり」には、「活(活用)」「節(節約)」「久(耐久)」「共(共有・共存)」「理(合理的)」の五つのデザイン理念が表出している。(3)上記の五つのデザイン理念は、今日、「節約型社会」を目指す中国にとって必要とされる「少物」デザインの指針である。

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 58 (6), 6_69-6_78, 2012

    一般社団法人 日本デザイン学会

参考文献 (53)*注記

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205410111872
  • NII論文ID
    10030136841
  • NII書誌ID
    AN00150292
  • DOI
    10.11247/jssdj.58.6_69
  • ISSN
    21865221
    09108173
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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