スフィンゴミエリナーゼ活性を有する細菌毒素の作用機構に関する研究 Molecular mechanism of bacterial sphingomyelinase C

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著者

    • 小田 真隆 ODA Masataka
    • 徳島文理大学薬学部微生物学教室 Department of Microbiology, Faculty of Pharmaceutical Science, Tokushima Bunri University

抄録

ウエルシュ菌のガス壊疽の病原因子であるα毒素(<i>Cp</i>-SMase)は,スフィンゴミエリン(SM)とホスファチジルコリン(PC)を分解する活性を有し,致死,壊死,そして,溶血活性を示す毒素である。セレウス菌のスフィンゴミエリナーゼ(<i>Bc</i>-SMase)は,致死,壊死活性を示さないが,リン脂質組成として,ホスファチジルコリンを含まず,スフィンゴミエリン(SM)を50%以上有するヒツジ赤血球に対して溶血作用を示す。<i>Cp</i>-SMaseは,細胞膜中でグリセロリン脂質の代謝亢進を惹起することによってラットの血管平滑筋の収縮やウサギ赤血球の溶血を引き起こすことが明らかにされてきたが,<i>Bc</i>-SMaseの作用機構に関しては不明であった。そこで,毒素作用とスフィンゴミエリナーゼ(SMase)活性の関係を解明するため,両者の作用を解析,比較した。その結果,1)<i>Cp</i>-SMaseと<i>Bc</i>-SMasのヒツジ赤血球に対する溶血機構,さらに,2)<i>Cp</i>-SMaseの好中球やマクロファージに対する作用機構,および,3)<i>Bc</i>-SMaseの三次元立体構造解析と構造と機能の分析から,前者の作用は,SMase活性によるリン脂質の分解から始まりTrkA受容体およびGiを介する細胞内伝達系の活性化,そして,後者の作用は,細胞膜中に存在するSMのセラミドへの直接分解による膜の流動性低下により,それぞれの特徴的作用を示すことが明らかになった。従って,<i>Cp</i>-SMaseと<i>Bc</i>-SMaseの作用は,いずれも,SMase活性によって細胞膜中のSM分解からスタートするが,その後の作用機構は,全く異なっていることが判明した。<br>

収録刊行物

  • 日本細菌学雑誌

    日本細菌学雑誌 66(2), 159-167, 2011-10-31

    JAPANESE SOCIETY FOR BACTERIOLOGY

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10030278596
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00189800
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    00214930
  • NDL 記事登録ID
    023242972
  • NDL 請求記号
    Z19-229
  • データ提供元
    CJP書誌  NDL  J-STAGE 
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