園芸用資材を活用した波形蔟の考案

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  • Design of visible cocooning frame using gardening materials
  • エンゲイヨウ シザイ オ カツヨウ シタ ハケイソウ ノ コウアン

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抄録

養蚕における家蚕の上蔟作業は多大な労力と手間がかかるため,限られた時間の中で作業をいかに効率よく行うかが重要になる。阿部(1985)や池田・土屋(1988)などの研究結果により,上蔟作業の軽減化が図られている一方で,丸山・蜷木(1993)はネットによる上蔟方式を考案している。しかしながら,養蚕農家の減少に伴い,販売されていた資材の中にはすでに製造中止になっているものが多い。そのため,現在では在庫として保存されているものを確保した上で使用するのみで,新規に製造された資材を使用できる可能性は極めて低いといえるだろう。このように養蚕農家向けの蚕具の調達は蚕種同様に年々難しくなってきているのが現状である。一方,近年では各地の小・中学校の学習教材として蚕の生育観察を行うことが多くなってきた。その際に用いられる蚕具は主に手作りのものであり,飼育ごとに作り直す必要があるなど,教材として利用するには手間がかかりすぎるといった問題点がある。また生育過程の観察を主たる目的とした教育用蚕飼育では,熟蚕の吐糸・営繭過程を観察できることも重要である。そのため市場に流通している安価な資材を活用して蚕具の代用ができるかを検討する必要があると考えた。本報告では,民間資材であるガーデニング用のネットおよび青果用ネットを組み合わせた再利用可能な上蔟用資材の開発を行った。その上で,同資材を用いた営繭の状況を紹介し,その実用性および有効性について検討したので報告する。

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