類円形を呈した胆管内乳頭状腫瘍の一例

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タイトル別名
  • A case of intraductal papillary neoplasm of the bile duct with round shape similar to biliary mucinous cystic neoplasms

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抄録

要旨: 症例は64歳·男性.検診にて肝左葉に腫瘤を指摘され,精査目的に当科を紹介された.腹部超音波検査,CT,MRIで肝S2に類円形の嚢胞内に増殖する乳頭状腫瘤を認めた.MRCPでは嚢胞はB2からの連続性が推測されたが,ERCPでは胆管と嚢胞の交通は確認できなかった.肝左葉切除を施行したところ,嚢胞内に少量の粘液と,充実性に発育する腫瘍を認めた.腫瘍は,卵巣様間質を認めず,pancreatobiliary typeの高分化型乳頭腺癌であった.中枢側の正常胆管と交通を示唆する部位を認め,また腫瘍より末梢の胆管の存在を認めなかった.以上から,末梢胆管に発生した胆管内乳頭状腫瘍(intraductal papillary neoplasm of the bile duct: IPNB)と診断した.IPNBは,症例数が少なく臨床的特徴が不明である.本症例は類円形の形態を呈した貴重な一例と考えられた.<br>

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 23 (4), 677-683, 2009

    日本胆道学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (12)*注記

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