腹腔鏡下胆嚢摘出術後遅発性胆汁瘻の一例

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タイトル別名
  • Delayed bile leakage after laparoscopic cholecystectomy emerged with right lower abdominal pain; Report of a case

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抄録

要旨: 腹腔鏡下胆嚢摘出術後10日目に発生した遅発性胆汁瘻症例を経験した.初発症状は右下腹部痛と非典型的であり診断·治療で注意すべきと考えられた.症例は50歳代,男性.再入院10日前,胆嚢結石に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し,初回手術後第4病日に退院した.退院5日後の夕食にてんぷらを食べ2時間後より押されるような重苦しい痛みが出現したが自然消失した.しかし翌朝より右下腹部痛が出現し来院,右下腹部を中心に圧痛を認めたが筋性防御は明らかではなかった.血液検査ではWBC 11500 /mm3,CRP 2.1 mg/dlと軽度上昇,腹部造影CTで右下腹部から骨盤内を中心に液体貯留を認めた.腹膜炎の診断にて開腹すると腹腔内に胆汁を認め,総胆管の右側面にある直径1 mmほどの小孔から胆汁の流出を認めた.同部に胆道外瘻チューブを挿入し手術を終了した.穿孔の原因としては鉗子の柄の接触が考えられた.術後経過は順調で再手術後第16病日に胆道外瘻チューブを挿入したまま退院した.3カ月後のMRCPでも胆道狭窄は認めていない.<br>

収録刊行物

  • 胆道

    胆道 23 (4), 684-691, 2009

    日本胆道学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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