睡眠中の激しい運動発作を呈した、扁桃体腫大を伴う高齢発症部分てんかんの一例

  • 谷口 豪
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 村田 佳子
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 渡辺 雅子
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 渡辺 裕貴
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科
  • 白戸 あゆみ
    独立行政法人国立精神・神経医療研究センター病院精神科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Elderly Onset Partial Epilepsy with Sleep-related Violent Seizures Associated with Amygdalar Enlargement

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抄録

高齢発症のてんかんの原因は脳血管障害、腫瘍、認知症などの変性疾患が多いが、扁桃体腫大との関連を示唆する報告も最近見られている。<br> 今回我々は高齢発症の扁桃体腫大を伴った部分てんかんの患者を経験したので報告する。<br> 症例は64歳時から夜間の睡眠中に「突然激しく動き回る発作」が見られるようになり、その頃から健忘症状および嗅覚の低下などの症状があった。他院で認知症あるいは睡眠時無呼吸症候群と診断・加療されたが症状は軽快せず、当院でビデオ脳波を含む精査の結果、高齢発症の部分てんかんという診断に至った。carbamazepine開始後、発作は消失し健忘症状や嗅覚障害の改善を認めている。本症例では右側扁桃体腫大を認めており、過去のキンドリングラットを用いた実験や症例報告をもとに考察した結果、扁桃体が何らかのキンドリング刺激を受けて興奮が前部帯状回に広がり激しい運動発作を示したと考察した。<br>

収録刊行物

  • てんかん研究

    てんかん研究 30 (1), 35-42, 2012

    一般社団法人 日本てんかん学会

参考文献 (29)*注記

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