現生シーラカンス(<I>Latimeria chalumnae</I>)における第一・第二背鰭間の機能形態学的戦略の相違

書誌事項

タイトル別名
  • The Differences of the Functional-morphological Strategy between the First and Second Dorsal Fins of the Living Coelacanth (<I>Latimeria chalumnae</I>)
  • The Differences of the Functional-morphological Strategy between the First and Second Dorsal Fins of the Living Coelacanth (Latimeria chalumnae)

この論文をさがす

抄録

現生シーラカンスの第一および第二背鰭を三次元復構画像を用いて検討し,軸上筋と軸下筋,第一背鰭に関連する筋肉,第二背鰭固有の筋肉の断面積を画像解析手法により計測した。第一背鰭に関連する筋肉は体幹の背側端を超えて鱗状鰭条まで伸長することはなかった。しかし,鱗状鰭条からなる放射した鰭は体幹部の骨性の板によって支持されていた。第二背鰭では,体幹部の2つの骨が鰭の4つの骨格要素を支持し,その4つの骨の周囲には,体幹部から固有の筋層が発達していた。第一背鰭は,体幹部の骨質の板から伸びる比較的小さな筋肉と,体幹部の骨質の板と鱗状鰭条の間の機械的な関節によって制御される,受動的な安定板として機能していると推察された。対照的に第二背鰭は,速度の遅い運動時に積極的な推進力を生み出す装置となっていることが示唆された。第一背鰭が位置する体幹前方と比べて軸上筋と軸下筋が減少する体幹後方においては,肉鰭類の鰭による推進力の発生は,第二背鰭に要求される機能であることが推測された。

収録刊行物

参考文献 (45)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204488743808
  • NII論文ID
    10030432321
  • NII書誌ID
    AA11366156
  • DOI
    10.5686/jjzwm.17.79
  • ISSN
    2185744X
    13426133
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ