腹腔鏡下結腸切除術後に5mmポート孔より生じたポートサイトヘルニアの1例

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タイトル別名
  • A case of a 5-mm port site hernia after laparoscopic colectomy

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抄録

症例は86歳,女性.上行結腸癌に対し腹腔鏡下右結腸切除術を施行した.術後5mmポート孔より挿入していた8mmドレーンを抜去したが,同日夕方よりドレーン抜去部周囲皮膚の膨隆と圧痛を認めた.ポートサイトへルニアを疑い,腹部CT検査を施行し,皮下へ腸管脱出を認めたため,緊急手術を施行した.ドレーン孔を切開すると,暗赤色の脱出腸管を認めた.筋膜を切開し絞扼を解除することで腸管切除は行わず手術を終了した.高齢であり腹壁が脆弱であったことや,術中にポートが脱落し,内套を挿入せず再挿入したため筋膜損傷を起こしていた可能性,5mmポート孔より8mmドレーンを挿入したため筋膜損傷部を拡張していた可能性の3点が原因として考えられた.診断・加療が遅れると腸管壊死や腸切除が必要となる可能性も高く,5mmポート孔にもヘルニアが起こりうることを念頭に置き,診察することが肝要である.

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