抗凝固療法と血栓溶解療法の併用により軽快した上腸間膜動脈解離の2例

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  • Two cases of idiopathic superior mesenteric artery dissection treated with combination anti-coagulant and thrombolytic therapies

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抄録

特発性上腸間膜動脈解離に対し,抗凝固療法および血栓溶解療法を併用し軽快した2例を経験した.症例1:55歳,男性.臍周囲部痛にて発症,腹部造影CTおよび腹部血管造影にて上腸間膜動脈起始部より1cm遠位の解離と診断.動脈内留置カテーテルからのウロキナーゼ持続動注とヘパリンの全身投与を開始.6病日に血管造影を再検し,偽腔内血栓の消失を確認.外来にて経過観察中であるが,症状の再燃,再発を認めず.症例2:49歳,男性.心窩部痛にて発症.腹部造影CTにて上腸間膜動脈起始部からの解離と偽腔内への血栓の充満を確認.血管造影下に血栓吸引を行った後,ウロキナーゼ持続動注を開始.14病日に軽快退院した.画像診断の進歩は,上腸間膜動脈解離の早期診断,早期治療を可能ならしめた.軽症例に対しては,抗凝固療法および血栓溶解療法の併用は有効な治療のひとつとなり得る.

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