卵巣腫瘍との鑑別を要した虫垂間膜原発粘液性嚢胞腺腫の1例

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タイトル別名
  • A case of mucinous cystadenoma arisen in the mesoappendix mimicking an ovarian tumor

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抄録

症例は40歳,女性.近医にて妊娠5週で流産した際,経膣超音波で右卵巣腫大を疑われ当院婦人科紹介となった.腹部MRIで右卵巣付近に6cm大の嚢胞性腫瘤を認めた.右卵巣嚢腫の術前診断のもと,腹腔鏡下右卵巣摘出術予定で手術開始となった.術中所見では卵巣は両側とも正常であった.嚢胞性腫瘍は虫垂の背側に隣接していた.悪性腫瘍の可能性も否定できないため回盲部切除術施行した.病理診断で虫垂間膜原発粘液性嚢胞腺腫(境界悪性)の診断を得た.一般的に腹腔内で発生する粘液性嚢胞腺腫は卵巣や膵臓に好発するが,虫垂間膜のような腸間膜原発の粘液性嚢胞腺腫は報告例が少なく極めて稀な疾患と言える.若干の文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (29)*注記

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