外向性発育を呈する口腔粘膜腫瘍性病変の細胞学的検討

• 久山 佳代

  日本大学松戸歯学部口腔病理学講座

• 松本 敬

  日本大学松戸歯学部付属病院検査室

• Fusi FIFITA Sisilia

  Department of Oral Pathology, Nihon University School of Dentistry at Matsudo

• 孫 燕

  日本大学松戸歯学部口腔病理学講座

• 森川 美雪

  日本大学松戸歯学部口腔病理学講座

• 加藤 拓

  船橋市立医療センター

• 山本 浩嗣

  日本大学松戸歯学部口腔病理学講座

書誌事項

タイトル別名

• Cytological analysis of oral mucosal exophytic lesion

抄録

目的 : 口腔粘膜の白色隆起性病変は多彩で, 細胞診の偽陰性を招く大きな要因となっている. そこで, 白色隆起性病変の細胞・組織所見を明らかにすることを目的とした.<br>方法 : 口腔粘膜隆起性病変と確定診断された乳頭状過形成 3 例, 乳頭腫 69 例, 乳頭状扁平上皮癌 1 例, 疣贅状過形成 8 例, 疣贅型黄色腫 6 例および疣贅性癌 9 例の細胞および組織所見の検討を行った. さらにフローサイトメトリー解析を施し, 細胞所見と比較した.<br>成績 : 乳頭状過形成, 乳頭腫および疣贅状過形成の偽陽性は認められなかった. 疣贅型黄色腫の偽陽性率は 16.7%, 疣贅性癌の偽陰性率は 66.7%であった. 乳頭状扁平上皮癌 1 例は Class IIIであった. 偽陰性の疣贅性癌を再検鏡した結果, 細胞質の肥厚, 中等度以上の核腫大, 核形不整, 核の濃染化・粗造化, 核縁の不均等な肥厚などが観察された. フローサイトメトリーにて疣贅性癌と扁平上皮癌の aneuploidy cell rate と proliferating cell rate は近似していた.<br>結論 : 白色隆起性の口腔粘膜腫瘤に遭遇した際は, 肉眼所見を丁寧に観察することが大切である. さらに悪性を疑う外向性疣贅性病変には細胞診とフローサイトメトリーの併用が有効であると考えられた.

収録刊行物

• 日本臨床細胞学会雑誌

  日本臨床細胞学会雑誌 49 (3), 177-184, 2010

  公益社団法人　日本臨床細胞学会

キーワード

• Oral mucosa
• Exfoliative cytology
• Exophytic lesion
• Accuracy rate

詳細情報

• CRID: 1390282679673781376
• NII論文ID: 130004513072
• NII論文ID: 10030691450
• NII書誌ID: AN00198721
• DOI: 10.5795/jjscc.49.177
• ISSN: 18827233
• ISSN: 03871193
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2010246927
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可