内耳気腫の4症例

書誌事項

タイトル別名
  • Four cases of pneumolabyrinth without trauma

この論文をさがす

抄録

迷路気腫は蝸牛や前庭に空気が存在する状態である。ほとんどの症例は側頭骨骨折に伴うものであるが、アブミ骨手術後・中耳真珠腫・中耳の悪性腫瘍・内耳奇形に伴うものなどが報告されている。我々は側頭骨骨折や耳かき外傷にともなわない迷路気腫の4例を経験した。1例は山頂でのバルサルバ手技に伴って起こったものであり、その他は中耳真珠腫に伴って起こったものである。迷路気腫の症状はすべてのタイプの難聴、めまい、耳鳴、耳閉感などである。診断にあたっては、高分解能CTが有用であり、我々の経験した症例でも前庭や蝸牛に空気像をみとめた。治療はベッド上安静や頭部拳上などの安静加療、薬物加療、手術などである。手術は進行性の難聴やめまいが続く症例に有用であり、特に高度の難聴症例は手術によって改善する可能性がある。

収録刊行物

参考文献 (8)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ