ハングル音読の正確性と流暢性にかかわる認知能力の貢献度とその発達的変化の検討

  • 朴 賢リン
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 日本学術振興会特別研究員
  • 宇野 彰
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 NPO法人LD・Dyslexiaセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Predictors of Reading Accuracy and Fluency in Hangul Learners from Grade 1 to 4
  • ─韓国語話者1年生から4年生までの児童─

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抄録

本研究では,全般的知能が正常である韓国語話者1~4年生の児童を対象とし音韻認識課題,視覚認知課題,語彙課題などを行い音読成績との関連の検討から,ハングル音読正確性と流暢性にかかわる認知能力の発達的変化を検討した.その結果,正確性に関しては音素認識因子,音節認識因子,命名速度因子,語彙因子が有意な予測要因であった.一方,命名速度因子は1年生,音素認識や音節認識因子は2年生までの段階でのみ正確性を有意に予測し3年生以上では語彙因子が正確性を最も有意に予測していた.流暢性に関しては命名速度因子,音節認識因子,語彙因子が有意な予測要因であり,特に命名速度因子は全学年で流暢性を最も有意に予測していた.正確性と同様に音節認識因子は2年生までの段階でのみ流暢性を有意に予測していた.本研究から,音読の正確性と流暢性にかかわる要素的認知能力の相対的な重要性は児童の発達段階によって異なることが示唆された.

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