日本水稲品種のSSRマーカー多型に基づく分類および近縁係数と遺伝的距離との関係  [in Japanese] Diversity and relationships between coefficient of parentage and genetic distance estimated by SSR markers in Japanese rice cultivars  [in Japanese]

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Abstract

日本水稲品種の遺伝的背景を明らかにしておくことは,新品種育成のための交配親の選定や遺伝的多様性の維持のために重要であると考えられる。遺伝的背景を把握する方法としては,近縁係数や遺伝的距離の利用が挙げられる。近縁係数は品種の家系に基づいて品種間の祖先品種の共通程度から算出され,一方,遺伝的距離は品種間のDNA多型の検出率から算出される遺伝的相似度である。これまで,日本水稲品種については,酒井(1957),大里・吉田(1996),吉田・今林(1998)が近縁係数を用いて家系分析を行っており,何れも,育成品種が狭い遺伝資源で構成されていると報告している。また,日本水稲品種が外国の品種群と比較して多様性に乏しいことについては古くから報告がなされ,1928年には加藤らが形態と雑種の稔性に基づき,世界の栽培稲を大きくIndicaとJaponicaとの2群に分けた上で,日本内地と朝鮮の稲は皆系統的に近縁で遺伝的に親和性が高いとしている。また,永松(1943,1945)は種子の発芽性や玄米の大きさで日本水稲品種群が他国の品種群に比べて変異の幅が小さいことを示し,その後も,低温クロロシスの発現(Chuong and Omura 1982)やアイソザイム(Nakagahra et al. 1975)でも日本水稲品種群が他国の品種群に比べて変異の幅の小さいことが報告されている。さらに,近年のDNAマーカーを利用した分析においても,RFLPマーカー(Nakano et al. 1992)やRAPDマーカー(Kubo et al. 1998)では日本水稲品種間での多型検出頻度が低いことが示されている。ところが,ゲノム中に散在する数塩基の単純反覆配列(SSR: Simple Sequence Repeats)の繰り返し数の違いをPCR法により検出するSSRマーカーを利用すれば,日本水稲品種間でも比較的多数のDNA多型が検出されることが明らかになり(河野ら2000),DNA多型データに基づく日本水稲品種の遺伝的分析が可能となることが期待された。そこで,本研究では,SSRマーカーを利用して,日本水稲品種間のDNA多型の検出を試み,その結果に基づいて遺伝的距離を算出し,日本水稲品種の分類を行った。また,二条オオムギ(内村ら2004)やコムギおよびオオムギ(小林・吉田2006)では遺伝的距離と近縁係数との間に相関が認められている。そこで,本研究では,供試した日本水稲品種について,遺伝的距離と近縁係数との関係を調査した。

Journal

  • Breed. Res.

    Breed. Res. 14(4), 106-113, 2012-12-01

    日本育種学会

References:  24

Cited by:  1

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    10031131509
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA11317194
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    Journal Article
  • ISSN
    13447629
  • NDL Article ID
    024180789
  • NDL Call No.
    Z74-B467
  • Data Source
    CJP  CJPref  NDL  JASI 
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