群馬県におけるレプトスピラ症の血清学的有病率の実態に関する研究

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タイトル別名
  • A study of seroprevalence of leptospirosis in Gunma Prefecture, 2010
  • グンマケン ニ オケル レプトスピラショウ ノ ケッセイガクテキユウビョウリツ ノ ジッタイ ニ カンスル ケンキュウ

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抄録

目的 レプトスピラ症は人畜共通感染症で,齧歯類が腎臓に保菌している本菌が尿を介して水や土壌を汚染し,経皮的または経口的に感染が成立する。平成21年11月,群馬県内で初めてのレプトスピラ症の届け出があった。県内のレプトスピラ症の地域流行の実態を明らかにし,住民や医療従事者に啓発を行うことが重要である。そのため,今回我々は,患者宅周辺の住民のレプトスピラ症の感染状況を調査した。<br/>方法 対象者:平成22年 4 月23日および26日,群馬県伊勢崎市の40歳から64歳の国民健康保険の加入者を対象とした特定健診(集団健診)を受けた住民を対象とした。標本数:健診を受けた住民を,無作為に100人抽出し,レプトスピラ症の抗体価を測定した。検査方法:レプトスピラ症の抗体価の測定は,国立感染症研究所に委託した。本州で広く分布しているレプトスピラ 6 血清型生菌を用いた顕微鏡下凝集試験を行った。<br/>結果 2 日間の検診受診者は180人,同意者は174人だった。100人の血清抗体価を測定し,結果はすべて陰性だった。<br/>考察 レプトスピラ症は診断されれば,治療可能の疾患であり,早期の診断•治療が大切である。軽症の症例は見逃されている可能性もある。県内の医療従事者には,レプトスピラ症の認知度は低い。レプトスピラ症は稀少感染症であるが,診断のため県内医師会に周知し,研修会等を行うことが大切と思われる。

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参考文献 (12)*注記

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