中耳真珠腫発症における角化細胞増殖因子 (KGF) および受容体 (KGFR) の関与: エレクトロポレーターでのベクター導入による新動物モデルを用いて

  • 福田 智美
    長崎大学大学院医歯薬総合研究科展開医療科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野 長崎大学大学院医歯薬総合研究科 医療科学専攻 生命医科学講座 組織細胞生物学分野
  • 小路 武彦
    長崎大学大学院医歯薬総合研究科 医療科学専攻 生命医科学講座 組織細胞生物学分野
  • 高橋 晴雄
    長崎大学大学院医歯薬総合研究科展開医療科学講座耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of in vivo over-expression of KGF by electroporatively transfected KGF cDNA on the histology of middle ear cholesteatoma

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抄録

真珠腫性中耳炎では、重層扁平上皮細胞の異常増殖、中耳腔への進展が主な病因と考えられ、上皮異常増殖には様々なサイトカインが関与しているという報告がある。<BR>これまで我々はヒト真珠腫組織で、角化細胞増殖因子 (KGF) とその受容体 (KGFR) の発現が真珠腫再発率に有意に関係していることを示し、KGF/KGFRのパラクライン機構が真珠腫形成に強く関与しているとした。<BR>今回我々は新動物モデルを作成し、中耳真珠腫形成へのKGFの関与について検討した。SDラットを麻酔の後、エレクトロポレーションにより外耳道細胞内にKGFプラスミドもしくは空ベクターを導入し、各々の蛋白を強制発現させ、実験的真珠腫の発症の有無を比較検討した。結果、KGFプラスミド導入群では真珠腫形成が認められた。<BR>vivo実験結果はKGFの強発現が真珠腫組織を誘発する可能性を示唆するものと考えられた。

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