純粋語唖と自己の発話における病態否認様の反応を呈した症例

  • 中谷 謙
    姫路獨協大学 医療保健学部 言語聴覚療法学科 前 山田赤十字病院 言語室 金沢大学大学院 医学系研究科 保健学専攻
  • 能登谷 晶子
    金沢大学 医薬保健学研究域 保健学系
  • 高橋 秀典
    宝塚医療大学 保健医療学部 理学療法学科
  • 宮崎 眞佐男
    伊勢慶友病院 脳神経疾患研究所 神経内科
  • 田中 裕
    医療法人緑会たなかクリニック
  • 小山 善仁
    姫路獨協大学 医療保健学部 言語聴覚療法学科 前 山田赤十字病院 言語室

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Aphemia Accompanied by Denial of Articulatory Disturbance

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抄録

   両側大脳半球に病変を有し, 自己の発話に対して病態否認様の症状を呈した純粋語唖の症例について報告する。症例は 78 歳の右利き男性。頭部 CT の結果, 左中心前回とその周辺, および右上側頭回から縁上回にかけて病変が認められた。言語症状, 病変部位などの検討の結果, 本症例は左半球病変を責任病巣とする純粋語唖と考えられた。本症例には, 発話の障害に焦点を当てた言語訓練を実施したが, 2 年以上経過後も, 重篤な構音障害に改善は認められなかった。本症例は聴覚的理解能力や語音弁別能力は正常であったが, 自己の発話に関して病態否認様の反応を呈した。その一方で, 言語訓練の継続には固執するという矛盾を呈したので, あわせて考察を試みた。

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参考文献 (28)*注記

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