当科における術後感染例の検討

この論文をさがす

抄録

術後感染(SSI)は,患者の術後成績に大きく影響するだけでなく,術者にとってもその負担は大きく,最も避けたい合併症のひとつである.今回我々は,中規模救急病院における単年度のSSI発生について検討し,施設単位の総括的なSSI予防と対策について検討した.対象は2010年度一年間に手術を施行した360例.抗生剤は点滴によるセフェム系抗生剤を手術当日および術後1日間を原則とし,ガーゼ交換は術後一週目に行い,その間創部は開放せず,ドレーン抜去は創閉鎖のまま施行した.SSI発症率は360例中3例,0.8%で,うち2例は基礎疾患の無い若年者であった.起炎菌は1例がMRSAで,他の2例は同定不能であった.全例感染確認後早期に追加手術を行い,全例でSSIは治癒できた.若年者であっても感染の危険性は常に存在しており,一旦SSI発症が認められた場合は,躊躇せず追加手術を検討する必要があると考えられた.

収録刊行物

参考文献 (6)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ