慢性経過後に急速な進行で脾臓破裂をきたしたT細胞前リンパ球性白血病

書誌事項

タイトル別名
  • Splenic rupture associated with aggressive conversion of indolent T-cell prolymphocytic leukemia
  • 症例報告 慢性経過後に急速な進行で脾臓破裂をきたしたT細胞前リンパ球性白血病
  • ショウレイ ホウコク マンセイ ケイカ ゴ ニ キュウソク ナ シンコウ デ ヒゾウ ハレツ オ キタシタ Tサイボウ ゼン リンパキュウセイ ハッケツビョウ

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抄録

65歳男性。健康診断で白血球増多を指摘されて受診,白血球,LDH, sIL-2Rの軽度上昇を認めた。画像検索では明らかな所見なく,骨髄検査では核小体不明瞭な小型の異型リンパ球を多数認め,T細胞系の表面マーカー陽性,染色体検査は正常核型であった。以上よりT細胞前リンパ球性白血病(T-PLL) small cell variantと診断,経過観察となった。白血球増多を指摘されてから約34か月後,頸部リンパ節の急激な増大と,白血球,LDH, sIL-2Rの急速な上昇を認め,入院となった。骨髄穿刺および頸部リンパ節生検では,これまで検出できなかったinv(14)(q11;q32)を含む複雑な染色体異常を示し,画像上全身のリンパ節腫大と肝脾腫を認めた。入院4日目に脾臓破裂を合併し,経カテーテル動脈塞栓療法を行うも救命できなかった。本症例は,緩慢な経過ののち急激な悪化時にT-PLLに特徴的とされる染色体異常を認めた。またT-PLLの剖検症例は貴重と考えられ報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 54 (3), 284-289, 2013

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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