下咽頭癌術後ハイリスク症例に対する術後治療の有用性の検討

  • 岡野 渉
    国立がん研究センター東病院頭頸部外科
  • 林 隆一
    国立がん研究センター東病院頭頸部外科
  • 篠崎 剛
    国立がん研究センター東病院頭頸部外科
  • 海老原 充
    国立がん研究センター東病院頭頸部外科
  • 宮崎 眞和
    国立がん研究センター東病院頭頸部外科
  • 藤井 誠志
    国立がん研究センター東病院臨床研究センター臨床腫瘍病理部
  • 大幸 宏幸
    国立がん研究センター東病院頭頸部外科

書誌事項

タイトル別名
  • Result of Adjuvant therapy of post operative recurrent hypopharygeal cancer

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抄録

頭頸部扁平上皮癌術後再発の危険因子として節外浸潤,断端陽性,多発リンパ節転移陽性が報告されている。今回,下咽頭扁平上皮癌術後の危険因子陽性である症例を対象として術後治療の有用性について検討した。<br>対象は1992年7月から2004年12月の間に当院で下咽頭扁平上皮癌と診断され初回治療で根治手術が施行された169例のうち,ハイリスク症例の110例とした。そのうち,術後放射線治療または化学放射線治療を行った16例を術後治療群,それ以外の94例を術後経過観察群とした。検討項目は病理学的リンパ節転移陽性の個数,節外浸潤,切除断端とした。病理学的リンパ節転移4個以上では術後治療群の生存率が術後経過観察群に比べ有意によかった。節外浸潤例では術後経過観察群の72%が頸部再発にて,断端陽性例では術後経過観察群の52%で局所再発により原病死していた。<br>節外浸潤,断端陽性,病理学的リンパ節転移4個以上の症例に対する術後治療の必要性が示された。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 38 (3), 347-351, 2012

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (27)*注記

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