術後遺残膿瘍との鑑別が困難であった腸間膜原発悪性リンパ腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of malignant lymphoma arising in the mesentery differentiated from postoperative abscess remnant with difficulty
  • 症例 術後遺残膿瘍との鑑別が困難であった腸間膜原発悪性リンパ腫の1例
  • ショウレイ ジュツゴイザンノウヨウ ト ノ カンベツ ガ コンナン デ アッタ チョウ カンマク ゲンパツ アクセイ リンパシュ ノ 1レイ

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抄録

症例は53歳の女性で,胃粘膜下腫瘍に対し腹腔鏡補助下幽門側胃切除を施行し,胃異所性膵の診断であった.術後3カ月目に腹部全体の鈍痛が出現したためCT検査を行ったところ,腹腔内に膿瘍様の腫瘤が認められた.抗菌薬内服で経過観察としたところ腫瘤は縮小し,腹痛も軽快した.腫瘤は移動性であり,腸間膜病変が疑われた.抗菌薬中止後も腫瘤は縮小を続けたが,初回CTから6カ月目のCTにて新たに傍大動脈リンパ節腫大が出現した.悪性リンパ腫を念頭に置き,開腹生検を施行した.移動性の病変は腫大した腸間膜リンパ節であった.病理組織学的検査結果所見は,腸間膜リンパ節,傍大動脈リンパ節ともにdiffuse large B-cell lymphomaであった.術後10カ月現在,R-CHOP療法8コース施行し完全寛解を維持している.CT所見と経過から,術後膿瘍との鑑別に苦慮した症例であった.

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参考文献 (42)*注記

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