超音波ガイド下血管穿刺 (5)CVラインセンターの設置の経緯とその運用─わが国初のCVラインセンター事始め─

  • 三木 保
    東京医科大学医療安全管理学講座主任教授 東京医科大学病院元CVラインセンター長

書誌事項

タイトル別名
  • Ultrasound-Guided Vessel Punctures (5)Establishment of the Center of Central Venous Catheterization (CVC) for the First Time in Japan

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抄録

  「東京医大病院 細管誤挿入で脳死状態 50代主婦 胸腔に点滴液たまる」.2003年11月11日の産経新聞の社会面のトップ記事は,東京医科大学病院の全職員を震撼させた.また,これが一連のマスコミを騒がす東京医科大学の医療安全体制の不備の露呈の始まりで,2004年の心臓外科の手術の医療事故(心臓手術で同一医師による4例の死亡例)から主任教授辞任,2005年の特定機能病院指定取り消しと,負のスパイラルへのプロローグになろうとは誰も想像はできなかった.当初これはごく一部の単なる医療事故のように見えた.しかしその本質は組織の単純なミス,油断ではなく,組織全体の虚構の医療安全体制の露呈であった.失った信頼を取り戻すためには,長い時間と多くの努力を要した.今回の東京医科大学病院でのわが国初のCVラインセンターの設置プロジェクトは,まさに真の医療安全文化構築への挑戦であった.

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参考文献 (14)*注記

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