大腸癌患者における抗EGFR抗体薬使用時の皮膚障害アセスメント―チェックシート導入経験―

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  • Assessment and Management of Skin Toxicity Associated with Anti-EGFR Monoclonal Antibody for Patients with Colorectal Cancer

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抄録

抗EGFR抗体薬を使用する際,皮膚障害のマネージメントは治療の継続性にかかわる問題である.2009~2011年に当施設で抗EGFR抗体薬を使用した大腸癌患者44例を対象とし,副作用チェックシート導入前(33例)と導入後(11例)に2分し,皮膚障害の状態とマネージメントの状況を後ろ向きに解析した.44例中40例(91%)に皮膚障害の出現を認め,グレード1/2/3別の発現頻度は各41%/32%/18%であった.チェックシート導入前後で皮膚障害の出現頻度は変わらなかったが,グレード3の出現頻度は低下傾向にあった.また抗EGFR抗体薬導入前すでに手足症候群などの皮膚障害が生じている症例が33%存在し,抗EGFR抗体薬導入によりさらに皮膚障害が増悪した症例を認めた.抗EGFR抗体薬の使用にあたって,副作用チェックシートの導入により,患者,医療スタッフともに皮膚障害に対する共通認識を持つことができ,その診断基準と予防や治療法の統一がはかられ,皮膚障害重症化のリスクを低減する可能性がある.

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