鏡視下手術が有用であった巨大胃脂肪腫の1切除例

  • 紙谷 直毅
    奈良県立五條病院消化器病センター外科
  • 頼木 領
    奈良県立五條病院消化器病センター外科
  • 大住 周司
    奈良県立五條病院消化器病センター外科
  • 吉村 淳
    奈良県立五條病院消化器病センター外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Giant Gastric Lipoma Resected by Laparoscopic Surgery

この論文をさがす

抄録

近年,腹腔鏡下手術は技術の進歩に伴い普及し,悪性腫瘍のみならず粘膜下腫瘍に対しても報告例が散見される.今回われわれは径8cmの巨大な胃脂肪腫に対し,腹腔鏡下手術を施行した1例を経験したので報告する.症例は74歳,男性.心窩部不快感を訴え,近医を受診,上部消化管内視鏡検査で前庭部に巨大な粘膜下腫瘍を認め当科へ紹介された.CT,MRI検査で同部位に腫瘤を認め,内部は脂肪組織と同じCT値を示した.画像所見上は脂肪腫と診断したが,腫瘍径の観点より脂肪肉腫を否定しえず,腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を施行した.病理組織学的検査で脂肪腫と最終診断した.過去の報告例では胃脂肪腫に対し腹腔鏡下手術を施行した症例は5例あり,径5cm以上のものは2例のみであった.自験例は6例目の報告であり,中でも腫瘍径は最大であった.胃脂肪腫に対して腹腔鏡下手術は有用と考えられ,今後の積極的な活用が期待されると考えられた.

収録刊行物

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ