完全人工光型植物工場における連続明期およびその開始時期が四季成り性イチゴ苗の開花までの日数および生育に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of Continuous Lighting and Time of Initiation of Treatments on the Flowering Time and Growth of Everbearing Strawberry Nursery Plants in a Closed Plant Factory
  • カンゼン ジンコウ ヒカリガタ ショクブツ コウジョウ ニ オケル レンゾク アキラキ オヨビ ソノ カイシ ジキ ガ シキ ナリ セイ イチゴ ナエ ノ カイカ マデ ノ ニッスウ オヨビ セイイク ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

本試験では, 人工光型植物工場を用いたイチゴの栽培における初期コストの削減および栽培期間の短縮(ランニングコストの削減)を目的として, 連続明期およびその開始時期が四季成り性イチゴ苗(Fragaria×ananassa Duch. ‘HS138’)の花成および生育に及ぼす影響について調査した. 処理光源には, 花成促進効果が報告されている青色光を多く含む青色蛍光灯を用い, 日積算光量(Daily light integral; DLI)を13 mol m-2 d-1とした. 組織培養苗を水耕装置に移植後21日目から16時間明期または連続明期下で栽培したB16区とB24区, 加えて, 連続明期処理の開始を16日早め, 移植後5日目から行ったEB24区を設けた. 処理区を通じて全ての株が開花した時点で試験を終了した(連続明期処理の開始後71日目). その結果, B24区およびEB24区ともに, B16区の開花日より約20日早く開花した. 移植後21日目から処理を開始したB24区の葉面積は約50 cm2, 移植後5日目から連続明期処理を開始したEB24区の連続明期処理の開始時の葉面積は約10 cm2だった. 連続明期処理の開始時期を16日早めたEB24区で花成が促進されなかったのは, 花芽分化するにはある程度の成長量(葉面積)や葉齢を確保し, 幼若相を脱する必要があるためと考えられた. 試験終了時における総乾物重にB16区およびB24区で差はなく, 連続明期下においても生理障害なく, 連続明期は16時間明期と同等の成長量を得られることが明らかとなった. 同じDLIの場合, 連続明期は16時間明期に比べ照明器具の設備コストを2/3にすることが可能である. これらのことから, 四季成り性イチゴの育苗期における連続明期下での栽培は, 16時間明期での栽培に比べ, ランニングコストの削減だけでなく, 初期コストの削減も可能であることが示された.

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参考文献 (16)*注記

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