エスニックな場所の再構築—— サンノゼ日本町におけるエスニック表象 ——

書誌事項

タイトル別名
  • Remaking of an Ethnic Place:Ethnic Representation in San Jose's Japantown, California
  • エスニックな場所の再構築 : サンノゼ日本町におけるエスニック表象
  • エスニック ナ バショ ノ サイコウチク : サンノゼ ニホンマチ ニ オケル エスニック ヒョウショウ

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抄録

本稿は,カリフォルニア州サンノゼ日本町における「エスニックな場所の再構築」過程を,エスニック表象分析に重点をおいて検討・考察したものである。まず,1)当該日本人街における近年のシンボル創造を中心としたエスニックな自己表象の媒体(記号表現)及びその提示経緯を分析・記述し,2)それらの表象が発するメッセージ(記号内容)を解読する。さらに,3)それら表象行為が進行する社会的及び文化・心理的な文脈を検討し,表象によって進展する「エスニックな場所の再構築」過程の性質と,それがエスニック都市空間(エスニック・タウン)の現状や将来にとってもつ役割と意味を考察する。<br> サンノゼ日本町では,1980年代から90年代初頭にかけての再活性化計画と2000年代に入ってからのランドマーク・プロジェクトによって,日本町の存在とアイデンティティを表象する豊富なシンボル群が創造された。これらのシンボル群は,強い政治的メッセージを欠く文化的次元のものに留まっており,Rowntree and Conkey(1980)の「ストレス-シンボル化」理論に照らすとき,なお初期相の段階にあると言える。しかし,これらは日本町の範囲と構造を目に見える形で示し,この空間のエスニシティの再確認・再強化に寄与している。

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参考文献 (28)*注記

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