チタン-<i>n</i>-ブトキシドを用いたカーボンナノチューブの可溶化および酸化チタンナノコーティング

書誌事項

タイトル別名
  • Solubilization and Titania Nano-Coating of Carbon Nanotubes Using Titanium (IV) Tetrabutoxide
  • チタン-n-ブトキシドを用いたカーボンナノチューブの可溶化および酸化チタンナノコーティング
  • チタン-n-ブトキシド オ モチイタ カーボンナノチューブ ノ カヨウカ オヨビ サンカ チタンナノコーティング

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抄録

本研究では,チタン(IV)ブトキシド(Ti(O-nBu)4)を含むトルエン溶液にカーボンナノチューブ(CNT)を加え,超音波処理することでCNTを安定に分散させる手法を開発した.分散溶液をろ過して回収したCNTのTEMおよびAFM観察より,CNT表面に約1–2 nm程度の酸化チタン(TiO2)層の形成が確認できた.また,得られた複合体を燃焼することでCNTが消失し,CNTの形状に沿ったチューブ状のTiO2のみが残り,CNT表面がTiO2層で被覆されたことが明らかとなった.さらに,この方法は単層CNT (SWNTs)および多層CNT(MWNTs)のどちらにも有効である.MWNTs/TiO2複合体のXPS分析の結果,Ti(2p)とC(1s,c-c)のの元素比は約 1%と見積もられ,質量比で換算した場合,TG-DTA分析で見積もった複合体中のTiO2の質量比によく一致した.CNTの表面積を考慮すると非常に薄いTiO2層がCNTを被覆していると考えられる.本手法はCNTの分散法にとどまらず,機能性TiO2/CNT複合材料の新規合成法としても期待される.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 70 (6), 253-261, 2013

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (35)*注記

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