耳管骨部の奇形による中耳コレステリン肉芽腫の一例

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タイトル別名
  • A case of cholesterol granuloma due to Eustachian tube malformation

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抄録

症例は50歳女性、10歳時からの断続的な耳漏にて紹介受診。CTにて鼓室から乳突洞に充満する軟部陰影および耳管骨部の拡大性の破壊像を認めた。手術所見では拡大した耳管内にコレステリン結晶の貯留を認め、病理所見とも合わせコレステリン肉芽腫症と診断した。<br>CTを再評価し三次元再構築を行ったところ、両側ともに耳管の骨部から軟骨部に移行する部位に下方から耳管内に突出する骨棘を認め、これが耳管を閉塞しているものと推測した。<br>肉芽が再増生したため再手術を行った際に、耳管内ファイバースコープにて骨性の閉塞を認め、耳管通気も不能であった。画像で認めた奇形 (骨棘) により耳管が閉塞し、コレステリン肉芽腫が形成されたものと考えられた。<br>耳管は画像診断が難しい部位であったためか過去に同様の奇形の報告はない。今後三次元再構築技術を用いることで、耳管機能障害の原因の中に本症例のような器質的な閉塞が明らかになるかもしれない。

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参考文献 (11)*注記

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