汎用化水田の導入による水田作経営の展開可能性 : 地下水位制御システム導入の経営的評価  [in Japanese] An Effect of "Farm-Oriented Enhancing Aquatic-System (FOEAS)" into Paddy Field Farm  [in Japanese]

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わが国の水田作経営は,1990年代後半以降,米価の急速な下落により,稲作所得を減少させている。今後とも米価は,人口が減少し,米消費が減退する状況から,大幅な回復が期待できない。そのため,水田作経営が農業所得を維持するには,米以外の作物を導入した複合化を図る必要がある。この複合化は,これまでの転作対応という位置づけではなく,導入作物を米と同等以上の収益部門へ確立することが求められる。このためには,生産基盤である水田を水稲生産のための圃場ではなく,水稲も含む複数の作物生産のための場と考え,水田の汎用化を図ることが重要となる。ただし,汎用化水田には,水稲生産で必要な湛水機能と畑作物生産で必要な排水機能を両立させるという矛盾を抱えている。また,畑作物生産では,生育期間中に適宜,灌水することで干害を回避する必要もある。現在,これらの機能を備えた基盤技術として地下水位制御システムが開発されており,水田での畑作物生産の定着による水田高度利用に対する貢献が期待されている。ここで,汎用化水田の視点から既存研究を整理した場合,水田での畑作物生産のための排水機能の装備によって,畑作物の生産性向上に有効な点が明らかにされ,また,麦・大豆の二毛作や水田輪作体系の導入効果などが経営・経済的に評価されている。しかし,これらの研究では,汎用化水田の視点からの分析が十分ではなかった。汎用化水田については,畑作物の生産性向上に向けた必要性が論じられ,梶井は,その方策として実態調査から大型トラクターを使用した耕盤形成・破砕の有用性を指摘している。その一方で,地下水位制御システムに対しては,大規模な土木工事による多額の投資を課題に挙げている。しかし,その評価は,汎用化水田に対する投資の費用対効果を十分に検証した結果ではない。そのため,投資による費用対効果の検証も踏まえて,汎用化水田による水田作経営の展開可能性を明らかにする必要がある。そこで本稿では,汎用化水田による水田作経営の展開可能性を解明することを目的とする。そのために,水田汎用化の方法として注目されている地下水位制御システム「FOEAS」を対象に,それを導入している滋賀県A市のB法人に対する実態調査に基づいて,その経済性と,導入にともなう水田作経営への影響を明らかにする。

Journal

  • Japanese Journal of Farm Management

    Japanese Journal of Farm Management 51(2), 25-30, 2013-09-25

    The Farm Management Society of Japan

References:  6

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    10031195789
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00200823
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    ART
  • ISSN
    03888541
  • NDL Article ID
    024903838
  • NDL Call No.
    Z18-1079
  • Data Source
    CJP  NDL  IR  J-STAGE 
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