脊髄癆によるCharcot spineに対して腰仙椎後方固定術を施行した1例

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抄録

脊髄癆によるCharcot spineに対して腰仙椎後方固定術を施行し,良好な結果を得た1例を報告する.症例は51歳,男性.5年前より両下肢筋力低下を自覚し,3年前に症状が増悪したため当科を受診した.X線像でL4,5椎体の骨硬化とMRIで輝度変化を認め,脊椎炎を疑ったが,血液検査にて炎症所見を認めず陳旧性脊椎炎と診断した.その後通院を自己中断したが,両下肢痛と右下肢筋力低下が増悪したため5か月前に当科を再受診した.X線像でL5,S1の骨破壊像およびMRIでL5/S1の椎間板腔に膿瘍を疑わせる像を認め,椎間板穿刺を施行したが培養は陰性であった.血液検査で炎症所見なく血清梅毒反応陽性であることから,脊髄癆によるCharcot spineと診断した.手術は腰仙椎後方固定術(PLIF: L5/S1,PLF: L2-S)を施行した.術後両下肢痛は消失,両下肢筋力低下は改善し,JOAスコア(29点)は14点が19点に改善した.L3からS1の骨癒合が得られ,術後5年経過した現在,杖歩行可能である.

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