FDG-PETを施行した腎細胞癌術後膵転移の1切除例

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  • A Case of Resectable Pancreatic Metastasis from Renal Cell Carcinoma with FDG Uptake on PET

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抄録

症例は59歳の女性.4年前に腎細胞癌にて左腎摘出術を施行後,外来にて経過観察中,膵頭部腫瘤を指摘され当科紹介.造影CTで膵頭部に約2cm大の造影効果のある腫瘤を認めた.ERCPでは腫瘤に一致して膵頭部主膵管にスムーズな狭窄像を認めた.FDG-PETでは膵頭部腫瘤に軽度のFDGの集積(SUV max 早期像3.0,後期像3.1)を認めた.以上の所見より,腎細胞癌の手術既往もあり,腎細胞癌膵転移の診断にて幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.病理組織検査ではclear cell carcinomaの所見で,腎細胞癌膵転移と診断した.術後は順調に経過し,第27病日に退院となった.腎細胞癌の膵転移は比較的稀である.その診断には膵内分泌腫瘍との鑑別が問題となるが,FDG-PET検査の有用性は今後の検討課題と考えられた.腎細胞癌術後から膵転移までの期間は比較的長く,術後は長期間の経過観察が必要と思われた.また膵転移に対しては切除にて長期的な予後が期待できる可能性があり,切除可能な症例は外科的治療を考慮すべきと考えられた.

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