大量出血と腸間膜気腫を伴った穿通性直腸憩室の1例

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  • A CASE OF HEMORRHAGIC PENETRATION OF THE DIVERTICULUM AT THE RECTOSIGMOID JUNCTION PRESENTING AS INTRAMESENTERIC EMPHYSEMA

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抄録

症例は83歳,女性.主訴は下腹部痛.81歳時に肺塞栓症ありワーファリン内服中であった.今回突然の下腹部痛あり受診.下腹部に軽度圧痛を認めるも腹膜刺激症状は認めず.入院2時間後に血便が出現したため緊急内視鏡検査を施行.直腸に巨大な深掘れ潰瘍様の陥凹を認め,陥凹底には腸間膜の組織が観察された.内視鏡的止血は困難と判断し,外科的治療が施行された.手術で直腸S状部の腸間膜側に大きさ3cmの穿通を認め,病理所見では憩室穿通が示唆された.結腸直腸の腸間膜や後腹膜への穿通症例では,診断に注意が必要であると考えられた.またショック症状を呈する程の大量出血を来した症例は稀である.

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参考文献 (22)*注記

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