脂肪成分を認めず被膜様構造を呈した肝血管筋脂肪腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of Encapsulated Hepatic Angiomyolipoma without Fat Component
  • 症例 脂肪成分を認めず被膜様構造を呈した肝血管筋脂肪腫の1例
  • ショウレイ シボウ セイブン オ ミトメズ ヒマク ヨウ コウゾウ オ テイシタ カン ケッカンキン シボウ シュ ノ 1レイ

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抄録

症例は37歳の女性で上腹部痛を主訴に平成21年12月に当院受診.腹部超音波検査で肝腫瘍を指摘され,外科紹介となった.腹部造影CTで肝S1に7.0cmの造影早期相で不均一に強く造影され,平衡相で周囲肝実質より低吸収となる境界明瞭な腫瘤を認めた.腹部MRI検査では,腫瘍は境界明瞭,T1強調像で低信号,T2強調像で不均一な高信号を示し,CT検査と同様に造影早期から腫瘍内部は不均一に濃染した.T1強調位相コントラスト画像では信号強度の低下を認めず,脂肪成分の存在は確認できなかった.肝細胞癌の可能性も完全には否定出来なかったため,肝左葉切除術を施行した.腫瘍は6.5×5.5×6.0cmの赤褐色の腫瘤で,病理組織学的には好酸性の胞体を持つ類上皮型の平滑筋細胞が増生し,脂肪成分は認められなかった.また腫瘍全周にわたり線維性の被膜様構造を認め,免疫染色ではHMB-45,α-SMAが陽性で,肝血管筋脂肪腫と診断された.

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参考文献 (36)*注記

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