基礎老化の所見の臨床への応用 : 超百寿者研究の可能性について  [in Japanese] Accelerating the translation from basic research to geriatric practice : potentialities of supercentenarians study  [in Japanese]

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Abstract

近年の基礎老化研究の目覚ましい進歩により老化のメカニズムに関する数多くの仮説や知見が提唱されている.百寿者研究は学際的,包括的な研究でありその目的も多岐にわたるが,長寿モデル動物で観察された老化制御機構が実際のヒトの長寿にもあてはまるか検証することは重要な目的の一つである.われわれは1992年に百寿者調査を開始したが,当時に比較すると全国の百寿者数は10倍以上に増加しており,それに伴って虚弱な百寿者も増えた印象がある.一方,105歳以上まで到達する方々は病気や介護状態になりにくいことが判明し,2002年から105歳調査を開始した.これまでに500名以上の105歳高齢者の血液サンプルを採取したが,この中には58名の110歳以上の超百寿者(スーパーセンチナリアン)が含まれる.超百寿者は厚生労働省の統計では全国で78名(平成22年)が存在するのみであり,百寿者(100歳以上の高齢者すべて)が総人口約2,400人に一人の割合で存在するのに対し,超百寿者は総人口約150万人に一人の稀有な存在であり,世界一の長寿国であるわが国においても長寿のスーパーエリートである.さらに,われわれの調査から超百寿者は糖尿病の罹患率が極めて低いことが明らかになった.超百寿者の健康長寿のメカニズムを解明するため,われわれは全ゲノム配列解析,プロテオーム解析,またiPS細胞による長寿細胞モデルの手法を取り入れ,従来のhypothesis testing(基礎老化研究から導かれる仮説の検証)からhypothesis generating(新しい仮説の提案)な研究を目指し,抗加齢医療の臨床応用に貢献したいと考えている.<br>

Journal

  • Nippon Ronen Igakkai Zasshi. Japanese Journal of Geriatrics

    Nippon Ronen Igakkai Zasshi. Japanese Journal of Geriatrics 50(3), 356-358, 2013-05-25

    The Japan Geriatrics Society

References:  10

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    10031203250
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00199010
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    REV
  • ISSN
    03009173
  • NDL Article ID
    024782146
  • NDL Call No.
    Z19-25
  • Data Source
    CJP  NDL  J-STAGE 
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