昼間及び夜間のリン欠如培養液で水耕栽培したトマトの生長と養分吸収(農学部門)

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タイトル別名
  • 昼間及び夜間のリン欠如培養液で水耕栽培したトマトの生長と養分吸収
  • ヒルマ オヨビ ヤカン ノ リン ケツジョ バイヨウエキ デ スイコウ サイバ
  • Growth of, and nutrient uptake by tomato plants cultured in phosphate-free nutrient solution during day or night(Agriculture)

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抄録

園試処方50%濃度液で水耕栽培したトマトを, 昼間だけ(7時から19時)あるいは夜間だけ(19時から翌朝7時)リンを欠如させた培養液に移し, 3日間の昼間と夜間の養水分吸収量を測定した。さらに, 硝酸態窒素, カルシウムについても同様の方法で実験を行い, リン欠如の影響との比較を行った。その結果, 昼間ないし夜間のリン欠如によって, 夜間ないし昼間のリン吸収量が顕著に増加した。増加の程度は昼間にリン欠如させた植物体の, 夜間の吸収において大きかった。硝酸態窒素, カルシウムについてもリンと同様に, 夜間の吸収量の増加程度が大きいことが認められたが, これらの傾向は3つの養分の中ではリンがいちばん強かった。園試処方50%濃度液を用い, 第1花房開花期から次の3つの異なるリン施与の方法でトマトを水耕栽培した。昼間(7時から19時)リンを欠如させた培養液で栽培する区(-P/C区), 夜間(19時から翌朝7時)リンを欠如させた培養液で栽培する区(C/-P区), 昼夜とも園試処方50%濃度液の完全培養液で栽培する区(C/C区)を設けた。茎葉, 根の生長量及び1果重, 1株当りの果実重とも, 3つの区の間に差は認められなかった。-P/C区のリン吸収量はC/C区の半分以下で, 3日間の欠如処理の場合とは異なり, 3つの区の間でリン吸収量に明らかな差が生じた。しかし, リン吸収量の大きな違いにも関わらずトマトの生長量に差がなかったことから, トマト水耕栽培で広く使用されている園試処方50%濃度液(リン濃度が2me/l)では, 生産に結びつかない無駄なリンの吸収が行われていることが明らかになった。

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