大学生とその両親の死の不安と死観

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  • ダイガクセイ ト ソノ リョウシン ノ シ ノ フアン ト シカン
  • Death anxiety and death perspectives of undergraduate students and their parents.

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Abstract

今, われわれはある意味で科学の発達の極点を経験しようとしている。とりわけ高度医療技術の発展は, 高齢化社会, 癌告知の是非, 末期医療, 延命医療, 安楽死, さらには脳死・臓器移植など, 人間の生死に関わるさまざまな問題を生み出している。そのことによって, 人間がこの社会のなかで生きるとはどういうことか, 死とは何かという問題, いわば死生観があらためて問われているといってよいだろう。極点といったのは, 科学の発達によって科学では答えることのできない問題が派生しつつある, という逆説的な意味においてのことであり, それは人類がはじめて経験するところのものである。死のポルノグラフィーならぬ"死のグラフィティー"(金児和子, 1994)とでもいえる昨今の氾濫・流行の背景には, 死に対する現代人の精神的無防備があり, それが現代人の直面せざるを得ない深刻な課題を突きつけている。本稿の目指すところは, このような状況に鑑みて計画された科学的研究である。

Journal

  • 人文研究

    人文研究 46 (10), 537-564, 1994

    大阪市立大学文学部

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