2倍体と4倍体のマスカットブドウの正逆交雑種子の発育と実生の獲得

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タイトル別名
  • 2バイタイ ト 4バイタイ ノ マスカットブドウ ノ セイ ギャク コウザツ
  • Seed Development and Seedling Growth After Reciprocal Crossing Between Diploid and Tetraploid Muscat Grapes

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抄録

1.マスカット系の無核品種を育成するために,2倍体品種と4倍体品種の正逆交雑を行い,結実及び種子形成率,胚の発育,種子の発芽と実生の生育を2倍体品種の自家受粉の場合と比較した. 2.4倍体×2倍体の組み合わせでは,結実率は高い傾向であったが,無核果が多く,有核果の含種子数も少なく,2倍体×4倍体の組み合わせに比べて種子の獲得数ははるかに少なかった.これに比べ,2倍体の自家受粉では有核果率及び含種子数がもっとも高かった. 3.2倍体の自家受粉では結実した子房内の胚珠の約67%が正常に発育していたが,2倍体×4倍体及び4倍体×2倍体では珠心の萎縮による胚珠の退化が多く,正常なものはそれぞれ約47%,約10%にすぎなかった.それらの胚は,2倍体×4倍体では2倍体の自家受粉と大差なくその後も発達したが,4倍体×2倍体では球状胚以上に発達するものはなかった. 4.成熟果粒から取り出した種子に休眠打破処理を行い,播種した2倍体×4倍体の種子の発芽率と実生の獲得率は,2倍体の自家受粉種子の約3分の1であった.4倍体×2倍体では実生は得られなかった。

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