シャルル・ボネ未刊草稿「想起について」の研究(1)
書誌事項
- タイトル別名
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- Etude du manuscrit inedit de Charles Bonnet, Sur la reminiscence (1)
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抄録
ここに校訂, 公表するのは, ジュネーヴ公立大学図書館手稿資料室コレクション所収の手稿資料Ms. Bo 88/4「想起について」の全文である。この未刊草稿において, シャルル・ボネ (Charles Bonnet, 1720-1793) は, 自身が 1760 年に出版した著書『精神諸能力についての分析的試論』で展開した想起の理論を再検討し, 新たな理論を模索している。またこの未刊草稿には, 彼と同時代の第一線の学者達との意見交換の記録も含まれている。このように本資料は, この哲学者の晩年の思索の跡をたどる上で大変興味深い。ボネは, コンディヤックと並んで, 所謂「感覚主義者」の一人に数えられる, 18 世紀フランス語圏においては一世を風靡した哲学者である。我が国では馴染みは薄いが, 近世フランス哲学史の連続的展開過程の委細を掌握する上で, 研究上欠かせない哲学者であると考えられる。デカルト的心身二元論がメーヌ・ド・ビランに批判的に継承されてゆく過程にあって, ボネはコンディヤック以上に重要な役割を果たした。また英国経験論がフランス哲学に統合されるに際しても, ボネは相当な役割を演じたと考えられる。近世哲学における想起の問題の占める認識-存在論的地位について一言。17世紀哲学においては想起は, デカルトの場合に見られるように, 一般に確実な認識をもたらすものではない。しかし, 18 世紀の経験論者達にとって想起は, 意識の連続性を保証し, また自我の存在感情の同一性をも基礎づける重要な精神能力である。ボネはこの精神能力に初めて生理学的基礎を与えようと試みた。その試みの過程が本資料において露になる。まず原資料から校訂したテキストを示す。その後にわれわれ自身の手になる哲学的注釈を示す予定である(本研究所紀要次号に発表予定)。
収録刊行物
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- 東海大学文明研究所紀要
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東海大学文明研究所紀要 15 1-39, 1995-03-30
東海大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1574231876553512704
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- NII論文ID
- 110000195770
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- NII書誌ID
- AN00157349
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- ISSN
- 02850818
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- データソース種別
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- CiNii Articles