カンボジア語標準語とプノンペン方言

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  • 坂本 恭章
    東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所

書誌事項

タイトル別名
  • The standard Khmer language and its Phnom Penh dialect
  • カンボジア語とプノンぺン方言
  • カンボジアゴ ト プノンペン ホウゲン

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抄録

以上, STとPPとで語形の異なるものについての対応法則と, その実例をあげたが, ここにその要点をまとめるとともに, STとPPとの主な相違点であるところのPPには, a) 低昇り声調があるb)/r/が稀にしか現われないc)/eə/があるd)/ie/がないe) /N (/m/ を除く) C/の形の子音音素結合があるf) /mC/, /IC/, /kη/の形の子音音素結合がないg) 2音節語の第1音節の構造が簡単で, 短母音で終わる音節がある等の諸点との関係を明らかにしよう。 1. STの2音節の第1音節とPP 表の左欄にSTの音節型, 上にその音節頭音を示し, 表中にそれに対応するPPを示した。〔・〕で音節の切れ目を示し, これが左についているものは, PPでは単音節語が対応することを示す。空欄は対応例のないものである。この図から明らかなように, STの第1音節に対しては, PPでは /Ca/の形の短母音音節か, または /NC-/ という形の単音節語頭の /N/ が対応している。この短母音で終わる音節も, /NC/ という子音音素結合も, STには現われないものである。2. STの子音音素結合[table]この結果, PPでは/kη/, /mC/, /IC/ の形の子音音素結合がなくなる。 3.単音節語および2音節語の第2音節で[table]という対応がありこの結果, STで /ie/ と /ia/ との対立で示された語が, PPではシノニムとなっている。

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。

収録刊行物

  • 東南アジア研究

    東南アジア研究 6 (2), 290-320, 1968-12-20

    京都大学東南アジア地域研究研究所

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