<論文>熱処理による圧縮変形の永久固定

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  • <ORIGINAL>Permanent Fixation of Compressive Deformation in Wood by Heat Treatment
  • 熱処理による圧縮変形の永久固定
  • ネツ ショリ ニ ヨル アッシュク ヘンケイ ノ エイキュウ コテイ

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抄録

スギ(Cyptomeria japonica D. Don)材を用いて,熱処理による圧縮変形の永久固定について調べた。また,熱処理した木材の寸法安定性,機械的性質,材色変化についても調べた。得られた結果は,次の通りである。熱処理温度,時間の増加に伴い圧縮変形の回復は減少し,180℃では20時間,200℃では5時間,220℃では3時間の処理によって,変形はほぼ完全に固定された。圧縮していない木材の抗膨潤能(ASE)は,熱処理温度の上昇,あるいは時間の増加に伴い増加するが,その最大値ぱ約50%であった。jぶどか40%程度に達する熱処理により,変形ぱ完全に固定された。ASEと回復度との間にぱ極めて高い負の相関関係があり,圧縮変形の永久固定ぱ,細胞壁実質に付与される寸法安定性によるものと考えられた。圧縮変形がほぼ完全に固定される熱処理によって,強度の低下や紺色変化が顕著であった。例えば,180℃,20時間および200℃,5時間の熱処理による曲げヤング率の変化ぱ,それぞれ-8.96%および-0.72%,曲げ強度の変化は,それぞれ-38.45%および-34.12%であった。また,紺色の変化について,L値の変化は,それぞれ-27.8%および-29.3%であり,ΔEは,それぞれ28.9および29.9であった。

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