<論説>バンドン会議と鳩山内閣

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タイトル別名
  • <Articles>The Bandung Conference and the Hatoyama Administration
  • バンドン会議と鳩山内閣
  • バンドン カイギ ト ハトヤマ ナイカク

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抄録

一九五五年四月に開かれたバンドン会議は、アジア・アフリカの新興独立国が独力で開催した国際会議であった。この会議へ日本の鳩山一郎内閣も、高碕達之助経済審議庁長官を首席代表とする代表団を派遣した。こうして戦後日本はアジアへの復帰を果たしたのである。しかしこの会議には、日本の同盟国アメリカの冷戦政策に批判的な中国・インドなども参加していた。そのため会議に出席することで、戦後日本外交はこれらの勢力を含むアジア諸国との関係とアメリカを中心とした西側諸国との関係をいかに「両立」させるのかという新たな課題に直面することになったのである。本稿では日米の外交文書を用いて、アジア諸国とアメリカとの関係の「両立」をはかりながら、日本外交がアジアへ復帰していく様を描くこととしたい。またその際、日中貿易の促進を唱える高碕達之助代表が、いかに中国の周恩来首相と接触したのかについても詳細に検討される。

収録刊行物

  • 史林

    史林 82 (5), 770-806, 1999-09-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

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