<論説>ビッドル来航と海防問題

DOI HANDLE Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • <Articles>The Biddle Expedition and Tokugawa Defense Policies
  • ビッドル来航と海防問題
  • ビッドル ライコウ ト カイボウ モンダイ

この論文をさがす

抄録

本稿の目的は、ビッドル来航時の日本側の対応、およびその後の洋式軍艦導入問題を分析することにより、弘化・嘉永期の海防政策とビッドル来航の意味を問うことにある。そのビッドルは、弘化三年(一八四六) に本格的な帆船戦列艦を率いて来航したが、その際日本との対応において開戦の危機が生じたのであった。このビッドルショックともいうべき事件により、幕府は海防政策の見直しをすすめたが、そのなかで洋式軍艦の導入問題が焦点の一つとなった。洋式軍艦導入による海上防御を主張する浦賀奉行の意見は、海防四家や海防掛などが主張する台場による陸上防御案の前に幕府内部での合意を得ることができなかった。したがって、阿部政権は陸上防御の海防方針をとり、その後の御備場見分の際に提出された復命書をほぼ完全に実施していったのである。

収録刊行物

  • 史林

    史林 85 (1), 64-87, 2002-01-01

    史学研究会 (京都大学文学部内)

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ