集団を対象とした観察研究におけるバイアス

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  • 馬場園 明
    Institute of Health Science, Kyushu University
  • 津田 敏秀
    Department of Hygiene and Preventive Medicine, Okayama University, Medical School
  • 三野 善央
    Department of Hygiene and Preventive Medicine, Okayama University, Medical School
  • 山本 英二
    Department of Applied Mathematics, Okayama University of Science

書誌事項

タイトル別名
  • Bias in an Observational Study on Population
  • シュウダンオタイショウトシタカンサツケンキュウニオケルバイアス
  • シュウダン オ タイショウ ト シタ カンサツ ケンキュウ ニ オケル バイア

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抄録

バイアスは要因と結果の関連の指標の強さを真の値から歪めるものである。集団を対象とした観察研究においては,バイアスは選択バイアス,情報バイアス,交絡に分けられる。選択バイアスは対象の設定の問題から起こるバイアスで,情報バイアスは情報が誤っているために対象を誤分類してしまう問題である。交絡は,原因と結果の双方に関係する他要因によって因果関係が歪められるバイアスである。観察による方法でデータを集める場合には,バイアスを完全になくすことはできないため,バイアスがあるからといってその研究が誤っているという考え方は正しくはない。バイアスをできるだけ少なくする努力は必要であるが,その研究から起こって来る可能性のあるバイアスを考え,そのバイアスが結果を過大評価したのか過小評価したのかを考察し,そのバイアスがあったとしても研究結果を支持できるかどうかを考察することも重要である。また,バイアスを小さくする方法は,選択バイアス,情報バイアス,交絡それぞれについて検討されなければならない。選択バイアスと情報バイアスの対策は研究計画を立てる段階でしかおこなうことはできず,分析の段階で工夫することはできない。一方,交絡は研究計画をおこなう段階でも,分析の段階でも対策を立てることができる。

収録刊行物

  • 健康科学

    健康科学 17 35-42, 1995-02-25

    九州大学健康科学センター

被引用文献 (2)*注記

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