A Cace of Congenital Missing of Teeth Observed in Only the Second Dentition

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  • 第二生歯列に限局してみられる先天性欠如例

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昭和61年度の口腔内調査において22歳の女性の歯列に系統発生学的退化現象によるとみられる代生歯7歯の先天性欠如を認めた。欠如歯はすべての上顎小臼歯と左右両側の下顎第二小臼歯および上顎左側側切歯であった。また上顎には代生歯の欠如に起因するとみられる晩期残存の乳臼歯が3歯認められた。本欠如例では, 小臼歯を中心として7歯もの欠如歯を有するにもかかわらず智歯がすべて萌出していたことは注目に値するのと思われる。智歯は第一生歯列の末端に位置し最も退化的で欠如率も高いとされているからである。現存歯の近遠心径の計測では, 智歯を除きいずれも平均値より低い値をしめした。しかし第一生歯列に属する第一大臼歯, 第二大臼歯および残存乳臼歯では平均値との差は僅かであった。また智歯の近遠心径は逆に平均値よりも高い値をしめしていた。これらのことより本欠如例では, 大臼歯を含む第一生歯列(乳歯列)には退化傾向が認められず第二生歯列(代生歯列)のみに退化消失が特発したものと考えられた。したがって第一生歯列の退化と第二生歯列のそれとが相互に関わりをもって進行するとは限らず, 個体によっては第二生歯列のみが独立的に退化消失することがあり得るものとみられる。

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