SWAPモデルによる気温,降雨変化が作物収量に与える影響評価 : 地球温暖化が作物生産に及ぼす影響

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  • SWAP モデル ニ ヨル キオン コウウ ヘンカ ガ サクモツ シュウリョウ ニ アタエル エイキョウ ヒョウカ チキュウ オンダンカ ガ サクモツ セイサン ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

本研究では、地球温暖化に伴う佐賀の気候変動(気温及び降雨変化)が作物収量に及ぼす影響についてSWAPモデルを用いた数値実験より検討した。1961-1999年における佐賀の平均気温は全体的に上昇する傾向を示し、2100年には2003年の平均気温より2.15℃上昇すると予測された。また、1967年以降の雨量の確率分布を対数正規分布とみなした平均値と標準偏差は、それぞれ0.76、0.43前後であった。さらに、20mm及び50mm以上の日降雨量日数は増加傾向にあり、特に1980年以降のそれは顕著であった。次に、気温の増加に伴うダイズの収量をSWAPモデルでシミュレーションした結果、気温の増加に伴い高温・少雨の年では収量は減少し、逆に低温・多雨の年では増加した。さらに確率論的アプローチより、降雨発生事象をマルコフ過程とみなし、モンテカルロ法により降雨の模擬発生を行い、降雨パターンと作物収量との関係について調べた。その結果、作物の生育期間における降雨量の増減により作物収量は大きく変動した。このことから、作物収量には年間降雨量の大小だけでなく、降雨期間も重要な影響因子の1つであることが把握された。

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