西アフリカ北部トーゴ・ランバ族のスーダン・サバンナにおける生業維持構造

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  • The subsistence structure of the Lamba people in the Sudan savanna in the northern part of Togo, West Africa
  • subsistence structure of the Lamba people in the Sudan Savanna in the northern part of Togo West Africa

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抄録

西アフリカ・トーゴ共和国北部のカラ州(Kara Province)ニャムトグー県(Nyamougou Prefecure)カジャラ(Kadjala)から5キロ離れた地区で1980年11月から1981年2月、1982年10月から1983年3月と1984年6月から9月までの期間にランバ族の生態人類学的な現地調査を行った。彼らは周囲の他民族からの圧力から逃れ、さほど天然資源が恵まれない過酷な環境に追い込まれたという歴史的な経緯を持つ、弱小な古ニグロ人種(Palaeo nigriic)の一民族であったために、これまで人類学的な現地調査が希薄だった。スーダン・サバンナに住む農耕民の生業維持機構を直接観察と参与観察および聞き込み法によって精査し、スーダン・サバンナの季節変化にともなう住民の生産・消費活動、食物獲得活動と伝統的な民族技術等を記載・分析した。特に集落のまわりの水が完全に干上がり、食糧が払底し、住民は飢餓に近い状況に陥る、11月から始める乾季に焦点を当てて論述し、考察した。しかし住民は、高蛋白な固有種の雑穀類やマメ類の栽培、早稲種や生育期間が短い作物の併用、半栽培的な植物利用などで、食糧危機を回避する方法をとりながら、乾燥したスーダン・サバンナへの生業維持活動を展開していることが分かった。

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