秩序問題への個人主義アプローチの可能性

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タイトル別名
  • Possibility of Approaching to Social Order Problem from Individualistic Standpoint :
  • ─規範主義社会学と契約理論からの挑戦との戦い─
  • Debates against Attacks of Normativistic Sociology and Social Contract Theory

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抄録

本稿ではデュルケム(パーソンズ)の功利理論(合理的選択理論)批判、社会契約論からの見えざる手説明批判を、功利理論、見えざる手説明を区分せず、その擁護、反論を行なった。簡単に言えば社会学にたいしては、社会化(愛他心の喚起、将来の利益・公共の利益へのコミット)からの協力の発生の説明を避け、個人が相変わらず利己的なままであるのに協力が発生し得ることの証明と、社会契約論にたいしては、専門機関によるコントロール(監視と制裁)による利己的な個人のあいだの協力発生の説明を避け、そのようなフォーマルなコントロールがなくとも利己的な個人のあいだに協力が発生しうることの証明である。後者については二者ペア間インタラクション戦略では大規模匿名社会でもその戦略が進化的に安定的であることが明らかになった。しかし二者でなく、三人以上になると合意がないと協力の維持は不安定であること、そしてその人数が多くなるに連れて協力の発生すらおぼつかなくなる、つまり監視や制裁の統制がなければ協力の発生が難しくなることが明らかになった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205166110720
  • NII論文ID
    110000512011
  • NII書誌ID
    AN10096921
  • DOI
    10.11218/ojjams.6.1
  • ISSN
    18816495
    09131442
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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