丘陵地源流域における降雨による流量のふたつのピークについて

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タイトル別名
  • THE DOUBLE-PEAKED HYDROGRAPH DURING STORM EVENTS IN A SMALL WATERSHED OF THE TAMA HILLS, WEST OF TOKYO
  • キュウリョウチ ゲンリュウイキ ニ オケル コウウ ニ ヨル リュウリョウ ノ

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抄録

多摩丘陵の源流域において降雨流出の観測を行ない,一雨に対するふたつの流量のピークについて,それらの量的・時間的関係の検討,および第2の流量のピークの形成機構についての考察を行なった.その結果,次のことが明らかになった.(1)降雨中の第1の流量のピークは,流域下流部の水みち近傍の谷底地下水の流出,飽和域への直接降雨による飽和地表流,一時的に浸透し流出する浅い地中流により形成される.(2)降雨終了後の第2の流量のピークは,谷頭平底に形成された地下水面の高まりが下流方向へ移動し,地表面に達した地点で地表流となり形成されたものと考えられる.(3)第2のピーク流量形成時の流域中・下流部からの流出量は少なく,この部分の側方斜面が第2のピーク流量に果たす役割は小さい.(4)重回帰分析によって,第2のピーク流量の変動の91%,ふたつのピーク流量の時間間隔の変動の81%が,・降水量と初期流量によって説明される.(5)同程度の降雨では,初期流量とふたつのピーク流量の時間間隔との問に明瞭な相関関係が認められる.

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