認知地図の歪みに関する計量的分析

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タイトル別名
  • A Quantitative Analysis of Distortions in Cognitive Maps
  • ニンチ チズ ノ ヒズミ ニ カンスル ケイリョウテキ ブンセキ

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抄録

本研究の目的は,認知地図を2次元平面に表象し,それを現実の地図と比較することによって認知地図の空間的特性を検討することにある.そのために,高校生を対象として山手線の主要駅と学校の最寄り駅の位置に関する距離評価と手描き地図を調査し,両者の分析結果に現われる共通性に着目した.このうち距離評価データからは,ノンメトリックMDSによって2次元ユークリッド空闇上での地点の布置を間接的に求めた.その結果得られるMDSの布置と手描き地図の両者を最小二乗法によって現実の地図に重ね合わせたところ,手描き地図の方がMDSの布置よりも現実の地図との適合度が高いことが判明した.続いて,認知地図の歪みの成分を系統的歪みと曖昧さとに分けて計測するために,標準偏差楕円を適用した.その結果,系統的歪みには山手線を円形に近づけるような単純化傾向が認められた.また,駅ごとの楕円の大きさの違いから,訪問頻度の少ない駅ほど評価の曖昧さが大きいことが明らかになった.

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