神津島における多孔質流紋岩の風化とそれに伴う物性変化

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タイトル別名
  • Changes in Rock Properties of Porous Rhyolite through 40, 000 Years in Kozu-shima Island, Japan
  • コウズシマ ニ オケル タコウシツ リュウモンガン ノ フウカ ト ソレニ ト

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抄録

岩石の風化機構の解明を目的とし,風化による岩石物性の時間変化について調査した. 1.1ka, 2.6ka, 20ka, 40kaに噴出した4つの流紋岩質溶岩円頂丘が分布する神津島を調査地域とした.鉱物組成・化学組成などの予察的な分析によれば,溶岩円頂丘の形成当初の岩石物性は類似していた.また,採石場の露頭においては岩相の変化はほとんどなく,シュミットロックハンマー反発値も,地表からの深さに対応した変化を示さなかった.したがって,多孔質流紋岩は,厚く均一に風化する,いわゆる“deep weathering”の特徴をもつと考えられる.この解釈により,現在の岩石物性は各噴出年代からの経過時間における風化程度を示していると仮定できる.各溶岩円頂丘の露頭から採取した岩石試料を用いた種々の岩石物性の分析により,物性の時間変化は物性の種類により異なることが明らかになった。すなわち,化学的性質および比表面積は,最初の2万年間では徐々に, 2~4万年で急激に変化するのに対し,かさ密度,間隙率および力学的性質は,最初急激に,その後徐々に変化する.

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被引用文献 (16)*注記

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